キュービクルとは?

高圧電力には欠かせない設備の「キュービクル(高圧受電設備)」。
キュービクルの役割や、電力会社との契約の種類、導入にかかる費用やランニングコストなどをまとめました。

高圧電力には欠かせない設備の「キュービクル(高圧受電設備)」。
キュービクルの役割や、電力会社との契約の種類、導入にかかる費用やランニングコストなどをまとめました。

  1. キュービクル(高圧受電設備)とは?

    キュービクル(高圧受電設備)

    キュービクル(高圧受電設備)とは、電線に流れている6,600Vの電気を、100Vや200Vに変圧する機器一式を金属製の外箱に収めたものです。屋外に置かれることが多く感電や停電などのトラブルから防ぐため、金属製の頑丈な箱でおおわれています。

    キュービクルが使われている場所

    キュービクル(高圧受電設備)は、50kW以上の多くの電気を必要とする商業施設や店舗、工場、オフィスビルなどで利用されています。ビルの屋上をふと見たときに、小屋のような四角い箱が設置されているのを見かけたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

    キュービクルの役割

    一見すると小屋のような外観ですが、設備の内部には変圧を行うための多くの機器が格納されています。キュービクルの主な役割は、電線に流れている6,600Vの電気を100Vや200Vに変圧することです。それと同時に保護動作も担っています。建物内の電気設備がショートや漏電などをした場合に、素早く電気の供給を遮断することで、他の設備や建物にまで影響(波及事故)を及ぼさないことにつながっています。

    キュービクルの主な役割は?変圧と保護動作について

    キューピクル?キュービクル?語源と意味について

    「キュービクル」ではなく「キューピクル」となっているものを稀に見かけますが、正しくは「キュービクル」です。
    英語「Cube(箱、キューブ)」が語源で「Cubicle」と書きます。あまり聞きなれない言葉ですが、一度語源を知ることでとても覚えやすくなりますね。

    キューピクル?キュービクル?語源と意味について
  2. 電力会社との契約の種類(低圧電力と高圧電力)

    電力会社との契約の種類

    キュービクルを導入する大きなメリットは「電気代が安くなる」ことですが、どうして電気代が安くなるの?と疑問に思われるかもしれません。理由を説明するためにも「低圧受電」「高圧受電」の違いをご説明します。

    低圧電力(低圧受電)とは?

    私たちが電気を使うためには、まず電力会社から電気を受け取りますが、そのままの状態では6,600Vと高圧なため、家庭などの一般の施設では使うことができません。そのため柱上変圧器(トランス)によって変圧を行い、100Vや200Vに降圧されたものを受け取ります。

    柱上変圧器(トランス)は電力会社が一括で所有・管理をしているので、私たちは自分で変圧設備を所有していなくても低圧の電気を受け取ることができます。この電力会社が所有するトランスで変圧を行い、電気を低圧の状態で受電する契約を「低圧受電」といいます。

    電気代には柱上変圧器(トランス)のメンテナンス費用も含まれているため、高圧電力を利用するよりも電気代が割高になります。使用する電力が50kW未満の場合は基本的に「低圧受電」となります。

    低圧電力(低圧受電)とは?電力会社所有の柱上変圧器(トランス)で変圧を行い、低圧の状態の電気を受電するのが「低圧受電」です。使用する電力が50kW未満の場合は「低圧受電」となります。

    高圧電力(高圧受電)とは?

    大規模な施設や工場・病院など50kW以上の多くの電気を必要とする事業所では、電線に流れている6,600Vの電気をそのまま受電して、自社保有(またはレンタル・リース等)のキュービクルによって変圧を行います。
    このように高圧の状態のまま電気を受給するのが「高圧受電」です。

    高圧電力を利用すると、電力会社に対して変圧機器のメンテナンス料を支払う必要がないため、低圧電力を利用するよりも電気料金の単価が安くなります。

    高圧電力(高圧受電)とは?電気を6,600Vの高圧の状態のまま受給するのが「高圧受電」です。変圧は自社保有(またはレンタル・リース等)のキュービクルによって行います。
  3. キュービクルの導入にかかる費用は?

    キュービクルの導入にかかる費用は?

    高圧電力を利用するうえで欠かせないのがキュービクルですが、キュービクルを導入するには大きく分けて「設置費用」「キュービクル本体の費用」が必要になります。

    キュービクルの設置費用

    キュービクルの設置には、隣接する建物との距離の確保や、基礎の十分な強度確保など、安全に使用するための設置基準がいくつか設けられており、基本的には基礎工事が必要になります。

    キュービクルの設置にかかる費用は、コンビニや小規模の工場などの100kw程度の電気を必要とする小規模な施設で、およそ200万円と言われています。

    また病院やテナントビルなど200kw程度の電気を必要とする施設だと1機あたり300万円、さらにスーパーマーケットや中規模の工場など300kw程度の電気を必要とする施設で400万円、大型の病院やテナントビル、工場など500kw程度の電気を必要とする施設で500万円と、必要な電気の量に応じて変わっていきます。

    積雪が多い地域や海沿いの場所(屋外)に設置する場合、また地盤が弱い場所に設置する場合には、積雪対策や塩害対策、地盤強化が必要になるため、さらに費用が必要になる場合があります。

    キュービクルの設置費用は?コンビニや小規模の工場など200万円、病院やテナントビルなど300万円、スーパーマーケットや中規模の工場など400万円、大型の病院やテナントビル、工場など500万円

    キュービクル本体の費用

    キュービクル本体の価格は、コンビニや小規模の工場など、負荷設備が50kW以上の施設で使われる小型キュービクルで、1機あたり200万円前後が相場といわれています。
    さらにスーパーや中規模の工場などの200~300kw程度の電気を必要とする施設で使われるような標準キュービクルだと1機あたり300~400万円、さらに病院や大規模な工場などの500kw以上の電気を必要とする施設ともなると、特注品のキュービクルを生産することもあるため相場は500~800万円とピンキリになります。

    キュービクルの本体費用は?コンビニや小規模の工場など200万円、病院やテナントビルなどスーパーマーケットや中規模の工場など300万円~400万円、大型の病院やテナントビル、工場など500万円

    「設置費用」と「キュービクル本体の費用」を合わせると、変圧器の容量にもよりますが、キュービクルを導入するには初期費用として数百万円単位の金額が必要になることが分かります。

  4. キュービクル運用に必要なランニングコスト

    キュービクルのランニングコスト

    さらにキュービクルを運用するには様々なランニングコストが必要になります。

    保安管理費用

    キュービクル(高圧受電設備)を設置すると、電気事業法第43条第1項により、事業場に電気主任技術者の選任が必要になります。
    電気主任技術者を選任するには、電気主任技術者の免状を持った技師を雇用するか、または外部委託を行う必要があります。
    受電7,000V以下または発電機出力が1,000kW未満の事業所の場合は、技師を雇用をする方法のほかに、経済産業省告示第249号に該当する事業者と委託契約を結ぶことができます。)

    また、キュービクルを設置すると電気事業法により定期的な保安点検を実施することが定められています。
    保安点検にかかる費用は設備容量の大きさにもよりますが、外部委託した場合の費用は、コンビニなどの小規模な施設で月8,000~1万円前後、大きな工場やショッピングセンターで月5~6万円前後です。

    キュービクルの保安管理費用。キュービクルを設置すると…電気事業法第43条第1項により、事業場に電気主任技術者の選任が必要。外部委託した場合、費用はコンビニなどの小規模な施設で月8,000~1万円前後、大きな工場やショッピングセンターで月5~6万円前後

    キュービクルの部品とキュービクルの寿命

    キュービクルに使われる部品には10~20年経過すると寿命を迎えるものも多くあり、キュービクル(高圧受電設備)自体の寿命は20~30年と言われています。

    キュービクルの経年劣化に伴う部品交換時期・高圧機器などの交換推奨時期

    部品交換・修理の必要性

    万が一、キュービクルやその周辺機器に不具合があった場合、その建物だけではなく周辺にまで電力供給が停止する影響が出るばかりでなく、火災などの原因にもなりかねません。
    このように敷地内だけにとどまらず周辺地域に影響を与えてしまう事故を波及事故と言います。

    受電側で電気事故が発生した場合、通常は高圧気中開閉器が遮断して電力会社に事故が波及するのを防止する役割を果たしますが、交換時期を守らなかったことやメンテナンスを怠ったことにより、未然に防げる事故であったにもかかわらず防げなかったというケースも多く見られます。

    このようなリスクを回避するためにも、劣化が進んだ部品やキュービクル本体は定期的な交換・修理、また近隣への波及事故を防ぐ高圧開閉器などのメンテナンスをしっかり行う必要があります。

    部品交換・修理の必要性。波及事故とは?キュービクルやその周辺機器にもし不具合があった場合、その建物や敷地内だけにとどまらず周辺地域に影響を与えてしまう事故。波及事故の主な原因は、波及事故の主な原因は『保守不備(老朽化)』が全体の38%を占めるという調査結果も。波及事故の多くは、交換推奨時期を守っていれば未然に防止できた事故であった可能性が高い

    部品交換・修理・改修にかかる費用

    部品交換や修理など、キュービクルのメンテナンスにかかる費用ですが、キュービクルは高圧の電気を扱うため1つで数万円~数百万円かかる部品が多く使われています。
    定期点検やトラブル時などで交換や修理が必要になった場合、規模や内容にもよりますが数十万円から数百万円の費用が必要になります。

    さらにもしも事業拡大などで使用電力量が増えてキュービクルを導入した当初の想定の電気容量を超えてしまう場合には、キュービクルを増設する必要あります。

    このように電気を安く大量に使用できるという魅力的なメリットをもつ高圧受電ですが、高額な初期費用やランニングコストがかかるというデメリットもあるため、計画的な運用が必要になります。

    改修にかかる費用例。高圧ケーブルとLBSの更新工事1,300,000円(税抜)、UGS開閉器の新設工事695,000円(税抜)、トランス交換、PAS VTLA交換、高圧ケーブル交換工事3,100,000円(税抜)
  5. キュービクルをアウトソーシングしませんか?

    キュービクル所有者様向けの新しいサービスとして、お客様に代わりキュービクル管理をさせていただく「キュービクルアウトソーシング」をご提案しています。

    点検・修理などのメンテナンスにかかる費用が0円になり、所有者様がお支払いいただくのは電気代のみとなります。所有者様のリスクなくコストを削減できるサービスとなっておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。